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ROBOMECH2017 参加報告

概要

ROBOMECH2017@郡山に参加しました。ROBOMECHは1300人以上のロボット技術者が集まる査読なし国内学会です。

僕は、「開リンク系の O(log2 n)非同期運動学計算法」というタイトルで発表しました。 10万関節くらいのロボットを想定すると、全センサを一度に集めること自体がオーバーヘッドです。センサを集めるのに忙しくしている間に、衝突など即時対応しなければならない事態が起きても、対応できません。そこで、一部のセンサ情報だけで、ロボットの状態や制御を正しく更新することが必要となります。これを高速計算する手法を提案しました。

競技プログラミングの人にわかるように書くと、行列を木構造に載せて、(1)行列更新 (2)パス上の行列上の積を出力、の2種類のクエリをHL分解でオンラインにした、というだけです。n<10万, q<10万。

結構共同研究の話ができて、3年前からの成長を感じました。

郡山では、ラーメンを5杯と日本割烹(7500円)を食べました。日本割烹のカウンターの隣で座ってたのが、僕の好きなロ万というお酒の酒造の社長さんでした。接待中だったので話しかけはしませんでしたが、面白い話がいっぱい聞けました。

目次

面白かった発表(特選)

ヒトの寝返り動作を規範とした索状移動機構の研究

ヒト寝返り動作計測から、3自由度寝返りロボットの制御。ヒトから抽出したスキルは、関節の動かし方の順序の抽象度。

静電植毛により耐久力が飛躍的に向上したMckibben型人工筋肉の開発

ゴムに毛を生やすだけで耐久性が20倍に向上(5万回->100万回)

膝を拘束しないパワードスーツと装着車の足の間に働く力情報を用いた状態推定に基づくアシスト制御

足先に発生する力の反力の方向へ速度を出す、というよくわからない制御を行うといい感じに歩行をアシストする。発表者は「なんでこれでうまくいくのかわからない」と言っていたが、手応え最大化制御の良い数学モデルになっているような気がする。

ヒトの手部筋骨格モデルを用いた力学的負担の最小化に基づく物体把握姿勢の生成

手の筋骨格モデルと1種類物体について、どんな持ち方(6種類)をすれば一般化力最小で持てるのか?を数学的に解析。これがヒトの実際の持ち方と一致するかを検証しようとしたが、これは一致しなかったというネガティブリザルトが得られた。僕の修士論文に近く、やっぱり0空間あるからそりゃね、という話を著者としていた。

ホームロボットのための転倒時起き上がり機構の解説

3輪台車のボディが風船起き上がり人形。転んだら車輪をたためば勝手に起き上がる。

コーティング式触覚センサの開発

円筒局面にスプレーで吹き付けると触覚センサになる。一次元。二次元のElectrickと何が違うのだろう?? とりあえず僕のスマート円柱実験に使えそう。

フリースローにおける人の運動の感度解析と設計

軌道を与えると、話した瞬間などダイナミクスの拘束条件が変わる前に、初期状態からそのようなタイミングが目的達成に重要な変数化を算出。その結果、熟練者らしい動きの動画を生成することが成功。

イヌの軌道奇跡のための歩容とIMUを用いた速度推定

イヌのZ方向振動をFFT&Cut-off周波数を定める。すると最低周波数のモードが取れるので、これで極地検出する。この検出結果が、加速度0の点なので、ジャイロ0点が定まる。(今まで、人の歩行ではできていたが、イヌではやられていなかった)

タフロボット用軽量・低摺動・大出力油圧アクチュエータによるロボット脚の駆動

タフロボット用という意味がわからないが、鍛造マグネシウム合金を用いて3.6kg21MPa(!!)のジャンプロボット実現

RobotEye(ViewPLUS)

メカニカル高速3Dレーザスキャナ。1000万円で500m(リフレクタで1.3km)の範囲!信じられない。測定範囲を動的に限定することができて、空間分解能と精度を簡単にスケジュール可能。

ロハスの家

ロハス+家の研究。家は大手シェアが小さい(気候風土にあったものが求められるので)。ロハスの家=エネルギ自立+材料自立+水自立+快適健康空間。 (第一号) ハイテク機器によるエネルギ自立+地元材料 (第二号) パッシブデザイン(太陽の受け止め方を変える。ハイテクには頼らない)。材料自立(再生可能材)。 (第三号) 上記の融合。微生物でのディスポーザー+地中熱(太陽エネルギーの時間差)。地中熱は地質の関係もあり(崩れるので)、他の国は国策でやっているのもあるが、日本は極めて普及率が低い→家の杭から地中熱を得る機構。 ハイテク機器はレア素材必要では?地元の素材を使う、というのには意味があるのか? 水ってなんで言ってるの?→更新需要がメンテナンスコストを上回り、水インフラを保てないので。 一軒家なので、まだ東京だときつそ 冷暖房の普通の家との差のグラフとか、エネルギー消費量のグラフみたいなのがないとよくわからない

おもしろいもの

摩擦的特性を離床したロボット関節のための磁気粘性流体デバイスの開発

磁性流体は多層構造で大型だったが、両方固定したプレート1枚で摩擦制御できるようになった。ロボット先端クラッチに使える。

動きの人らしさ

トルク変動を時間方向に積分すると人間っぽい動きになる。ロボット実装としては、ダイナミクスから目標角速度計算をきちんと計算している。トルク最小だと実際に人間のやる動きとはかけ離れた運動になっているのが印象的だった。

救助犬に搭載した全方位カメラを用いた視覚オドメトリ

地図取るだけならイヌのモビリティに頼ったほうがいいよね。

ロボット間通信を可能にした円弧歯車形モジュラーロボットの設計開発

モジュラーロボットはダイナミクス活用するのが通信などあり大変。幾何学拘束を歯車形ロボにすることで陽に活用し、運動方程式を避ける。見た目が面白い

群ロボットシステムにおける自己位置推定法

各個体は、近くのロボットへの距離を知っている。各個体は、群ロボットの原点からの自己位置を推定する。方法は、予測距離以上なら近く、そうでないなら遠く、別途ランダムノイズを加える。

音場制御によるロボットナビゲーション

ロボットは音センサを搭載する。音が聞こえるか聞こえないかで行動を異とする。すると、場に従ったロボット制御が可能。

ロボットを介した人から人への作業教示におけるインタラクションのモデル化

人からロボットへの教示を行う。ロボットは、タスクを記号論理で記述し、曖昧性があるかを判定し、曖昧性があるならばそれを低減するような質問を返す。質問を返すときに、ロボットが関連位置を指を指す。学習済みのロボットは、逆に人に教えることができるというのがビジョン。

磁性流体を用いた逆可動性を有するベーン式ロータリーアクチュエータの開発

そもそも磁性流体アクチュエータがない(ほんまか??)。可動性を有するとと言っているが、実際には摩擦を制御することもできるらしい。

剛性可視化マーカ機構

圧力をかけて剛性を固くするとジャミングのせいで色がつく

移動ロボットにおけるCANの脆弱性をついたDOS攻撃となりすましの実証

CANをハック。実際ハックしてなりすましができちゃったので、危ない。原理上乗っ取りもできる。環境次第ではセキュアなCANを使う必要。

3輪全方位移動内部ユニットを用いた球体型移動ロボットの走行方向制御

オムニ版スフィロ。ノンホロだから横に動いたり、振動低減ができたりする。こいつでサッカーしたくない??

多孔質粉体の縮尺を利用したJamming Gripperの提案

コーヒー豆ではなく、縮むスポンジを使ったJamming。力は出ないが、小さいものもつかめる。縮むので吸盤の吸着もできる。

偏心構造を利用した小型かつ高性能な磁気式アブソリュートエンコーダの開発

ABS Enc.は位置決めセンサがいる。なので回転中心を偏心させると位置決めが要らなくなる。(光学式は埃が入るのでよくない)。モータにつけることを想定しているので、モータの磁場をキャンセルする技術も裏でやっているらしい。

手形状と物体形状の相関を利用した深層学習に基づく画像からの把持形状推定

単眼カメラ画像->鎌倉の把持形態をDNNで推定。妥当な指の位置みたいなのが予測できるといいよね、という話を議論した。

インフラ構造物に作用する応力の見える化〜ひずみ可視化シート〜

貼るだけでひずみが可視化ができる工具。

操作量の次元を考慮したクレーン吊り荷の制振制御の一設計手法

クレーンの荷物にIMUを載せておくだけで、熟練のクレーン制振制御を自動化

自動鉄筋結束ロボットの開発

そのまんま。こんなロボットの応用があったのだなあ。

操作者のプラニング技能の定量化に関する研究〜操作手順と操作意識に着目した特徴量の抽出〜

研究自体は企画倒れしているが、優先・視覚・まとめ運びなどのスキルを定量化し、教育に利用しようとしている気持ちは面白かった。

作動サスペンション機構を有する独立二輪駆動車両による斜め侵入での段差党派性に関する実験的検討

受動輪の旋回軸を固定することで、斜め侵入踏破性が向上する。

イオン導電性高分子・貴金属接合体を用いた形状と表面粗さを同時計測する触覚センサ

ひげ状触覚センサのIPMCから、形状とその微分による表面粗さ同時計測

多機能フリッパーアームを有する不整地移動体の開発

おにぎり型クローラで10cmレベルのかなりの不整地を移動可能。これ自体はそんなに凄くないが、倒立伸子に拡張可能だと思っていて、コミュニケーションロボットとかがもっとロバストになるといいなと思った。

面状全方位クローラ移動機構

変態機構で、2つのモータで全方位クローラを実現。クローラのそれぞれが横方向に動くベルトになっている。

リンク上の任意の位置に関節を配置可能な移動関節機構

リンク長を目詰まり現象的な感じでリンク長を変更する。

流体アクチュエータの駆動を目的とした微粒子励振による小型三方弁の開発

ピエゾで振動すると、目詰まりが解消されて弁ができる。ピエゾの周波数を変えると、近くの弁でも独立に弁の制御ができる。

防塵性を考慮した可視光・遠赤外線同軸カメラシステムの解析

赤外線は霧・砂塵環境下でも意外と見える。RGB-Infraredカメラをマジックミラーで実現しつつ、防塵性をサランラップで実現(サランラップは電子レンジから考えて赤外線も可視光も透過する稀有な素材)

蓄電・送電システムに搭載するフライホイールの開発

不安定な発電(太陽光など)は、瞬時的な電力が送られることがある。しかし、電池は瞬間電力に向かないので、余った電力をフライホイールでメカ的に蓄電。

ウェアラブルディスプレイのための手首凹凸計測による手指の動的運動認識

光学式触覚センサを腕に巻きつけて、指の形を推定。

3 DoF Wrist Mechanism for Tough Robotics by Hydraulic Artificial Muscles

油圧人工筋の3軸回展メカ。3軸目は結構つらいので、柔らかさを活用して今までのものを巻きつける形に配置、

Spring-Cam機構を用いた可変剛性足関節装具

歩行の足は非線形バネ的である。具体的には地面を蹴るタイミングでの剛性が線形バネより高い。これをカムで再現、微調整機能もつけた。

遠隔操作移動ロボットのための試験場の開発

原子力・災害救助用フィールドを作った。フィールドには、段差の高さ可変な階段や、不整地、その他、多くの種類がある。更には、通信障害を恣意的に起こす環境もある。水槽は温度・濁り度・水流を制御できる。これらによって、実機投入前にロボットの踏破性能の定量評価が可能。楢葉の原子力研究開発機構が開発したもので、利用者を現在募っている。5000円/1日(大学は半額)で使える。

高速ビジョンを用いた対象物体の実時間計測による人間機械協調の実現

石川研の高速ビジョンシリーズ。タスクは板を人間とロボットで持つ。人間が「遅れている」と認識するよりも早く、ロボットが人間の行動に馴染むように動力学計算と制御を行う。

人体荷重下を無摺動で滑り込むSlip-inマニピュレータの動作特性

インフレータブルロボットを、寝そべった病人や高齢者の背中や腰に「すべりこませ」、腰の褥瘡を解消する。

MRクラッチと空気圧人工筋肉を用いた装着型4自由度力覚提示装置の提案

人工筋とMRクラッチでアクティブ・パッシブな力覚を提示するマッスルスーツ…なのだが、コンセプト先行で5kgもある。あと、これは軽いマッスルスーツにもなっている(発表者はなぜか否定していたが)。

5軸球面パラレル機構の逆運動学と運動伝達性の解析

力覚提示用の5軸力を出力するメカを作る。変態設計。

分散運動学計算フレームワークに基づく運動学計算シミュレータの開発

研究の主張は意味不明(分散でない)だったが、逆運動学を収束計算で解く簡便な方法は面白かった。僕の手法をこれに適用すると、観測段の頻度が上がるので逆運動学が高速になる可能性がある。

外れ値処理を用いた確率的位置情報の統合による移動ロボットのロバストな位置推定

PFにセンサ確率密度を突っ込むときに、P(位置|センサ情報)の分布を計算し、多数決的に分布が違うものをウィルコクソンの検定で棄却する。ロバストネスが下がるが、GPSのような平均して外れ値が出るようなケースに使える。

Qualisys(企業)

厳しい環境で使えるモーキャプ。fMRI内部でもできる、水中でもできる、ケーブルがデイジーチェーンで楽、ソフトが軽い。

楢葉遠隔技術開発センター

日に5000円(大学は2500円)で、超すごい試験場が利用可能。階段・水中(温度・濁り度・塩分度)・段差など。

YVT-35LX(北陽)

三次元測域センサ。IMUが乗っていて自動で3D測定データを補正できる。

金属3Dプリンタ(富士通)

金属を5軸板上で、アーク溶接ワイヤーを溶かしながら積み上げて造形、そのあと5軸フライスで後処理する。ワークを全部削るよりも時間が早い。1500万円。

圧力分布測定システム(novel)

足に埋め込むインソール型分布圧力センサ。